"飛んでるんじゃない、落ちてるだけさ。かっこつけてな。"
バットマンをバットマンたらしめる要素の一つに、滑空(グライド)があります。ゲームの『アーカム』シリーズでは広大なフィールドを移動するのに使用する重要な要素として登場し、バットマンの"蝙蝠っぽさ"を確認するための数少ない要素の一つでも…ある。そんなわけで滑空の描写は実写映画シリーズでも登場することが多く、時代の変化と技術の進歩もあり、作品を重ねるごとに面白い映像表現になっていったように思います。特にノーラン三部作ではマントに自由に形を変えられる"形状記憶繊維"が使われているという設定が加えられ、よりスマートに描かれていたのが印象的。そう、タイトルにもある通りバットマンにとって滑空は重要なんです。
『バットマン・リターンズ』 (1992)
『バットマン・ビギンズ』 (2005)
"バットマンの映像化"で大きく成功を収めたのはやはり『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト』『ダークナイト・ライジング』の三作に渡るノーラン三部作でしょう。『ビギンズ』で新たなバットマン像を確立し、『ダークナイト』ではバットマン映画、果てはコミックの実写映画という枠を超えた作品に。『ライジング』は三部作の最終章としてのスペクタクル感などがなかなか好きなのですが、滑空シーンが無いという映画としてあるまじき致命的な欠陥を抱えているので、何度見ても自分の脳がバットマン映画として認識できません(この映画における"滑空メソッド"を提唱したのはこのブログのこの投稿が世界初です)。ノーラン三部作の"バットマンらしさ"については『アーカム』シリーズに絡めて他の記事で書くと思うので(長くなりすぎると思うので)割愛。
冒頭に書いた通り、ゲームの『アーカム』シリーズではオープンワールドになった『アーカム・シティ』から滑空が大きな要素になってきました。より巨大になったマップを快適に移動するための手段としても必要で、上空から街を見下ろしている時は美しいグラフィックを確認できる重要な瞬間でもあります。正直『シティ』のクリア後は空から突然現れて悪漢にキックを決めるというのが大半を占めるのは事実ですが。
『ダークナイト』 (2008)
そんでもって『Batman: Arkham Knight (バットマン: アーカム・ナイト)』ではこの要素が特に強化されています。
今作から追加された、"ゆっくりと降りる"モーション→滑空。これぞバットマン! どこか↑の『ダークナイト』の一場面を彷彿とさせる気も。
この投稿で触れた通り、とにかく『アーカム・ナイト』はグラフィックがとんでもないため、滑空している時なんかはコミックや映画では体験できない別次元の"俺はバットマン"感が味わえます。映画とは違ってゲームではバットマンそのものになれるので…これは人生の中でも希少な体験ですね?滑空している間もカメラを自由に動かし、華麗に着地しシームレスに戦闘に移行する…これが出来ただけでバットガズムに達するのも確かですよね?
また、本作からバットモービルを利用したローンチ(射出)という要素が加わり、バットモービルに搭乗中に×ボタンを押すことで勢いよく飛び出してそのまま滑空に移行できるようになっているのもスーパーグッド。
バットモービル(発射台)
映画だと"蝙蝠っぽさを再確認させるための滑空"みたいな面が強かったと思うんですが、ゲームでは移動に便利で見た目も超クール。おまけにやっぱりこの投稿でも触れた通り雨に濡れたマントがゲーム史上でも類を見ないセクシーさを誇っているため、街並み・精細な雨・バットフェティシズムを堪能できる素晴らしい一連のメカニズムになっているというわけです。
やはりバットマンには高い所から落ちる→マントを開く→滑空の流れが必要不可欠!だって蝙蝠なんだから…
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